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11月, 2017の投稿を表示しています

シリコンバレーに、Amazon Booksがやってきた!

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少し前の話になりますが、2017年8月に、リアル書店Amazon Booksがシリコンバレーにも進出しました。 場所は、サンノゼ市内の屋外ショッピング・モール「サンタナロウ」です。 実際に行ってみたので、利用方法を感想をレポートしてみます。 普通の書店と何が違うの? もっとも大きな違いは、価格表示がないこと。その代わり、全書籍の書籍下部には、Amazon.comでのカスタマ・レビューが表示されています。 こちらの本だと、Amazon.comでのレビューは5段階中4.6であると表記されています。 どうやって価格を調べるの? Amazonアプリ内のカメラを起動し、カスタマー・レビュー横のバーコードをスキャンするか(左図)、同カメラのOCR機能を用い、文字認識を行います(右図)。        いずれかの方法で商品情報が認識されると、Amazon.com内での価格が表示されます。 どうやって支払うの? 支払いは現金不可で、クレジットカードやデビットカードのほかに、QRコード決済が可能です。レジ横のPOPに決済用のQRコードが表示されているので、Amazonアプリ内カメラを用いてスキャンします。すると、アプリ上に自身のアカウントの支払い情報に紐づくQRコードが表示されるので、レジの店員にこのQRコードをスキャンしてもらい、支払い完了です。 Amazon×リアル店舗だと、無人コンビニのAmazon Go(※)がありますね。今後10年以内に、2千店舗にまで拡大するとの報道もあります。 Amazon Booksでの、画像解析を用いたり、財布を必要としないレジでの体験は、Amazon Goの世界が間近に迫っていることを実感させるものでした。 (※)Amazon Goにはレジがありません。利用者は 、欲しい商品を手に取って店を出るだけ。具体的には、 あらかじめスマホに専用アプリをダウンロードして入店します。店内では無数のカメラやセンサーが作動し、AIが常に状況を解析しているので、利用者が商品を手に取ったと認識すれば、自動的にアプリの買い物カゴに入り、店を出るとアマゾンのアカウントで決済される仕組みになっています。 余談ですが、Amazon Booksがあるサンタナロウから車で約5分の場所に、米大手書籍チェーンのBarne...

通貨について

仮想通貨に世間の注目が集まっている。 ビットコインが7,000ドルを突破など、数年前まで2-300ドルの価値しかなかったものが、あっという間に大きく伸びています。ビットコインの初期に10,000BTCを購入したという話を聞いたことがありますが、現在価値に換算するとまさかの$70M(約80億円)、ビットコイン長者ができるのも頷けますね。 そもそも通貨とは Wikipedia によると、国家などに価値を保証された価値交換媒体という定義らしい。特に気になったのは 日本のおとぎ話「 わらしべ長者 」では、様々なモノが交換の仲介物とされる様子が描かれている。政府は通貨を歳費の算定基礎に 価値の尺度 として用い、また 中央銀行 に発行や流通の権利を委ね保護し、国民も「唯一無二」の存在として信用することで、その価値が生じる。  ということです。つまり、 国家などが流通の発行や権利を保証する ユーザー側もそれを信頼する という前提から、成り立つもの媒体なのです。 金融資産としての通貨 通貨自体にも金融資産としての価値が出てきたのが為替です。ドル円で、円安円高など書いてあるが、要するに 需要と供給のバランス によって価格が変動するのが為替です(価値というのは常に需要と供給のバランスなのですが)。 通貨の供給量について 先程需要と供給という話をしましたが、そもそも通貨自体の供給量はどの程度のなのか調べてみました。世界最大通貨であるアメリカドルでみると、ナローマネー(流通している通貨と銀行にあるお金)は28兆6000億ドル、ブロードマネー(アクセスできるお金を含める)が80兆9000億ドルとのこと。これにデリバティブとか考えると、もうよくわからない数字に。詳しくは こちら 。 もうよくわかりませんね・・・ 仮想通貨とは さて、本題のつもりだったBitcoinについて少し言及します。 BitcoinはSatoshi Nakamotoによって提唱されたP2P型の暗号通貨で1BTCは、1億分の1まで分解が可能(1satoshiという単位で表現される)。またこの通貨での取引はブロックチェーン技術により管理され、不正ができない仕組みとなっています。従来の通貨の中央集権型と、全く逆であり、それ故管理されていない通貨とい...

今更ながらGrouponのビジネスモデルを振り返ってみる

Grouponという言葉、すでに死語になりつつあるとすら思えます。 スカスカおせち事件から、このGrouponというのは今どうなったのかなーってふと思い調べてみました。 そもそもGrouponってなんだっけ 2008年11月に設立されたシカゴベースの企業です。NASDAQで上場しており、上場当初は$16.5B(当時約1兆3千億)の時価総額をマークしたとのこと。 調べてみると、2010年前後の記事の多さ。なんかその時点で、廃れた感が一気にありますね。ただ直近では1年前に書かれた こちらの記事 があって、少し読みました。 要するに、 販売期間を短く設定。 販売数量を限定。 高い値引率 一定数量が集まったら販売決定。 というルールを基に設定された、新規顧客獲得のマーケティング手法だったとのことです。 いまどうなってるの? Groupon自体、日本では普通の通販サイトと変わらない状態とのことでしたが、少し HP を覗いてみました。 見てみると、たしかに衝撃の値引率。80%超の値引きも多く、「ほんとにこれは定価がこんなに高いの?」と疑ってしまうレベルです。 米国のGroupon自体をみてみると、まあ確かに日本のグルーポンと同じような感じで、ECサイトの感覚が強いなという印象です。 ちなみに時価総額は本日時点(2017/11/4)で$3B(約3300億円)とのこと。廃れたといえども、それなりの規模がありますね。 もともと店舗側から手数料を取るモデルとのことなので、店舗側の視点でいうと「簡単にマーケティング、プロモーションができる」という視点が強いのでしょうか。 こちら によると、月間アクティブユーザー数が5千万人とのことなので、彼らのプラットフォームを活用して提供できるのがGrouponの売りなのでしょうか。 最新の四半期決算 でも、調整後のEBITDAも$36.6Mなのでそれなりの規模はまだありそうです。このレポートによると、アクティブユーザーも増えているとのこと。購入金額規模も四半期ベースで$1.3Bなので、すごいざっくり計算すると、1ユーザーあたり月1,000円ぐらい購入しているイメージですね。 結局、、 廃れたイメージがあるものの、 ①地域密着型 かつ、 ②新規顧客獲得のマーケティン...

Transferwiseの資金調達からみた国際送金市場

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国際送金市場が再度注目を受けている。 今週、 Transferwise の300億円超の 資金調達ニュース が話題となった。 企業価値は$1.6B(約1,800億)と非常に高い価値と算定され、前回の資金調達のラウンドの企業価値であった$1.1Bから更に伸びている。投資家は、今までのラウンドでも入っていたAndreessen Horowitzなど名だたる投資家達が連ねる。 Transferwiseは私も使っているサービスで、国際送金のP2Pサービスだ。つまり、ドル円で考えると アメリカにドルを送りたい人、アメリカでドルを受け取りたい人 日本で日本円を受け取りたい人、日本で日本円を送りたい人 これらをマッチングするサービスである。当然マッチングされるのに、少し時間がかかるのであるが、国際送金にかかる手数料が従来の8倍安いと言われている。 直近2週間で最も高いレートのときアラートを出してくれる、など便利機能もあるので重宝している。 そもそも、なぜ安いのか 金融機関の送金方法はWireとACHがある。Wireは当事者間の銀行同士で行われ、ACHはACHネットワークを介して行われる。 Wireの海外送金においてはSWIFT(国際銀行)という通信手段で実施される。SWIFTとは金融機関同士のあらゆる通信にクラウドサービスを提供する非上場の株式会社である。通常このSWIFTを通じてWireで送金する。これらの処理をするための銀行側の事務手数料および、為替の両替手数料もかかる。 これらの 手数料をP2Pという仕組みで安く提供するサービスこそTransferwiseの仕組みとなる。 特に両替手数料は上述で説明の通り、なくすことができるのだ。 企業価値の妥当性については すでに売上が今年1億ポンド(約143億円)が見えているサービスであり、取扱金額でいうと毎月10億ポンド、 100万人が利用しているサービスとなっている。市場規模が54兆円と言われているが、まだまだ国際送金において大きくマーケットシェアを取っているわけではない。 この業界においては、Western UnionやMoneygramなどのプレーヤーがいる。どちらも上場しており、Western UnionはNYSEで約1兆円、Moneygram...